EC市場ではインターネット上で取引されるサービス・製品の売上がセグメントごとに表されています。大きく企業対企業のBtoB・企業対個人のBtoC・個人対個人のCtoCに分かれます。令和5年度の日本国内における市場規模はBtoBが465.2兆円(前年比10.7%↑)、BtoCが24.8兆円(前年比9.23%↑)でした。いずれの市場も2014年から毎年売上ベースの市場規模が伸長し続けており、この傾向は2025年以降も継続する見通しが立っています。BtoC市場の売上をサービス別に細分化すると、最も高いシェアをもつのはサービス系分野の旅行サービスです。売上規模は3兆1,953億円となり、前年比35.87%↑と大躍進を遂げました。これは新型コロナウイルスの流行が一段落して、自粛から明けて国内・国外旅行に向かうニーズが戻ったからだと推察できます。他にシェアが高いマーケットは食品/飲料/酒類、生活家電/AV機器/PC・周辺機器、生活雑貨/家具/インテリア、衣類・服飾雑貨などです。いずれもカテゴリ単体で2兆円を超える売上規模を誇り、上記4セクションだけでBtoCの物販EC市場の3/4を占めています。デジタル系分野で最もシェアが高い商材はオンラインゲームの1兆2,626億円です。しかし市場規模は2年連続で減少していることに注意が必要です。巣ごもり需要が落ち着き、外出する人が増えた影響を受けたのでしょう。個人間取引のCtoC市場も成長の最中にある領域の一つで、令和5年の実績は前年比5.0%増の2兆4817億円でした。好調の要因はスマートフォンのアプリが登場したことで、いつでも・誰でも出品できるサービスが普及したためだと考えられます。一方でCtoCのECサイトは転売屋をはじめ個人間取引特有のリスクが足かせとなり、順調な成長の足を引っ張る可能性も否定できません。グローバルに目を向けると、世界全体のEC市場の売上規模はアメリカと中国だけで70%を超えています。2023年の実績では中国の売上は2兆9,875億ドルを記録し、世界シェアの5割以上に達しました。市場の土台の大きさに加えて前年比11.4%増という伸び率の大きさにも驚きです。中国は名実ともに世界のEC市場をけん引する存在だと断じても問題ないといえます。2位のアメリカも単体で世界シェアの2割を獲得し、売上規模は1兆1,243億ドル・前年比8.1%増と好調です。肝心の日本はというと1,955億ドル(前年比12.7%↑)の第4位につけています。EC市場の将来を語るうえで不可欠なのは越境ECの台頭です。他国のECサイト上で商品を購入する越境ECの利用者は上位10ヵ国の合計だけでも推定5億7,300万人に達しています。2017年との比較では6年の間に1.8倍まで伸長し、2024年も昨年に引き続き増加する見通しです。国・地域別にみると越境ECの利用者数が最も多いのは中国となり、アメリカ・ブラジル・メキシコ・ロシア・日本と続きます。2023年における日本の越境ECの市場規模(アメリカ・中国向け)は4,028億円、内訳は米国が3,768億円、中国が440億円となりました。

参考:経済産業省「令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました

参考:日本貿易振興機構(JETRO)「拡大するEC市場(世界)