SEO(Search Engine Optimization)の始まりは今から25年以上も前の1990年代後半まで遡ります。
当初の検索エンジンはサイト名やURLを入力して特定のWebサイトを探し当てることはできても、インターネット全体に公開された情報をベースに処理することは不可能でした。
しかしYahoo!やAltavistaといった新たな検索エンジンが登場に応じて、2000年代初頭にかけ、検索エンジンの仕組みも飛躍的に発展していきました。現代の技術にも通じるクローラーの登場です。
クローラーと呼ばれるロボットがインターネット上に公開されたWebサイトの内容を取得・解析して、データベースに保存すべきか判断する仕組み(インデックス)が登場します。
インデックスされたWebページはユーザーがキーワードを入力して検索したとき、検索エンジンがニーズに合致すると判断したとき検索結果に表れます。
インターネット黎明期のSEOは、キーワードを多く含んで被リンクを獲得すれば高い評価を得られるという単純なものでした。
他のWebサイトや他社のページとのリンクが多いほど上位表示できるため、被リンクの購入や自演リンクなど今ではペナルティとなる手法が横行していたのです。
Webの民主主義が正常に機能しない状況を重く受け止めたGoogleは、アルゴリズムの大幅な変更を実施して事態の収拾に取り組みました。
- パンダアップデート(2012年):キーワードの詰め込みや広告だらけのWebサイトを対象
- ペンギンアップデート(2012年):自作自演のリンクや過度な相互リンクを散らばめられたWebサイトを対象
2012年以降、上記に該当するとインデックスの削除や検索順位の大幅な下落といったペナルティを余儀なくされたのです。
さらに翌年、キーワードの裏にある検索意図を読み解き、関連性が高いレスポンスを返すことを目的としたハミングアップデートが実行されました。
例えば「スタバ 近く」と検索したら、ユーザーのスマートフォンには現在の位置から近い店舗のスタバが先頭に表示されます。
パンダやペンギンUD(アップデート)が過度なリンクや低品質のコンテンツを締め出す目的で行われた一方、ハミングUDは検索意図に対してより的確な結果を返そうとするものです。
いわば人間が友人と話をしている感覚に近い体験を検索エンジン上でも体感できるようになりました。結果的にアルゴリズムと大いに関係があるSEO対策の手法にも変化が訪れます。
簡単にいえば、キーワードの含有量や被リンクの量よりもコンテンツの質が検索結果のランキングを決める最重要要因に躍り出たのです。
2015年にはモバイルフレンドリーアップデートと呼ばれる、スマホの閲覧を想定していないWebサイトの順位を落とすアルゴリズムの変更が行われました。
従前はパソコン向けに作成されたページを主軸に評価していましたが、現在ではスマートフォン向けのページを判断のベースにするモバイルファーストインデックス(MFI)に切り替わっています。
2015年はGoogleが検索順位の決定にAIを取り入れたランクブレインが始まった年です。
一秒間に数百万ものデータを高速に処理できるようになり、ユーザーの検索意図に即した情報を表示する精度が大幅に向上しました。
2017年12月には医療や健康分野のWebサイトを対象に、順位決定のアルゴリズムを大幅に変更する健康アップデートが実施されています。
事の発端は上記のジャンルで根拠のない情報や誤った情報がインターネット上に跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)していたことです。
医療や健康といった生命や身体に直接影響を及ぼす分野を扱うWebサイトにおいて、信頼できない情報ばかり掲載されるのは危険です。
健康アップデートの後は、医療機関や医療従事者・国家資格の保有者などが運営するサイトの順位が上がり始めます。
一方で単に情報をまとめただけでサイト上に病院名やクリニック名の記載がない、または運営元が誰かわからないサイトの順位が軒並み下がりました。
健康アップデートによって新たに登場したSEO上の重要概念が次の2つです。
- E – A – T(専門性・権威性・信頼性)
- YMYL(健康・医療・お金・生活)
健康・医療・お金・生活といった人の人生に影響を与える可能性があるジャンルの発信において、検索エンジンは運営元の専門性・権威性・信頼性が認められるWebサイトを評価するように変わりました。。
2018年に行われたコアアップデートでは上記の基準が導入され、コンテンツの質やキーワードとの関連性以外にも、発信者の信頼性に重きが置かれるようになりました。
2019年以降はAIの強化により検索精度の向上を目的としたBERTアップデートをはじめ、平均年3〜4回のコアアップデートが実行に移されています。
年月が経ってもYMYLジャンルにおけるE – A – Tの重要性は変わらず、むしろ高まっていくばかりです。
2021年には従来のランキングに加えてユーザー体験(UX)の良し悪しをアルゴリズムの一つにするページエクスペリエンスにかかるアップデートが行われました。
端的にいえば、使いやすく利便性に優れたページの評価を上げる取り組みです。
Googleはユーザー体験を評価する客観的な指標として読み込みのパフォーマンス(LCP)・インタラクティブ性(FID)・視覚的な安定性(CLS)を設定しました。
2022年12月には検索品質評価ガイドライン(検索結果に表示されるサイトを評価する際の指標)に経験が加わり、従来のE-A-TがE-E-A-Tに変化しています。
発信する情報について実際に経験したかという点が重視されるようになったのです。
2024年が終わりを迎えた今日においても、E-E-A-TがSEO上で非常に重要な概念として君臨しているのは間違いありません。
このように検索エンジンの評価の仕組みは時代の変化に応じて移り変わるものです。
SEOで結果を残すには常に最新の情報をキャッチアップして、アップデートを続けることが大切です。